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腐男子ゲイの腐った日常

腐男子ゲイが萌えたコンテンツを垂れ流すブログです

ゲイが「怒り」を見て現実の重さに打ちひしがれてきた件

予告の妻夫木聡がエロかわだったので、それ目当てで見にいきました。
軽微なネタバレがあるので、ご注意ください。(殺人犯はバラしません)

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ほら、かわいい。
この場面のエキストラは実際に公募で集められた人たちだそうですけど、その募集要項がふるっていて、条件は「20歳~40歳に見える男性」。つまり、実年齢は問わない!見た目重視!!
あと女装コメンテーターのブルボンヌさんの友人がちゃっかりエキストラに紛れてていて、妻夫木君にちょっかいを出していたそうです。ムキーうらやましい。

以上、前置きでしたが、こんな感じの下心しかない状態で見に行って、ひどい目に合いました。重い。重すぎるんです。

でもすごい映画でした。この映画の3つのストーリーのうち、メインは宮崎あおい(+渡辺謙)のパートであり、広瀬すずのパートだと思うのですが、この2パートについては他の人もコメントすると思うので、自分は優馬(妻夫木聡)と直人(綾野剛)のカップルについてのみ書きます。

まず、優馬の設定がリアルです。仕事も遊びも忙しいシャイニーゲイ*1。でも母親はホスピスに入っているし、将来への不安もあって、そこから逃避するように男漁りをして遊んでいる。もうね、20代の頃の自分と同じです。ゲイがセックスに走りがちのは、性欲だけではなく現実逃避の面も大きいと思うのですが、それをズバリ提示してきます。母親の病室内ですら9 monsters(ゲイの出会いアプリ)を見ているシーンがそれを象徴しています。
ハッテン場の描写もリアルです。一般の人には見られたくない、ゲイの爛れた生態をつまびらかにされてしまうので、思わずやめてくれと言いたくなります。足でモーションかけるのもよくある話。男女の出会いでも足を絡ませてモーションかけることはあると思いますが*2、ゲイはたいがいあんな感じです(笑)。

しかし優馬は、直人と付き合いだしてから遊びをやめて、1日中セックスしてるような恋人関係を経て、直人を母親に紹介するなど家族のような関係に昇華していきます。優馬は仕事が忙しいので、実質ヒモの直人が母親の世話をするようになります。おそらく母親は、気づいていたのではないでしょうか。そこがまた切なく、愛おしいのです。優馬は母親の臨終に間に合わず、直人が看取ります。直人に対して感謝をし、そこからフレームアウトして画面の外で泣く妻夫木の演技は白眉です。

そして、この母親の死をきっかけに、ゲイが現実社会と関わる上での軋轢が次々と示されていきます。母の葬式に直人を列席させられなかったことを詫びる優馬(この言い訳がとても素直で好感が持てる)、墓のことを話す2人、なんだかプロポーズみたいですが*3、実際に同じ墓には入れないだろうし、優馬が死んだあとで墓の面倒を見る人もいない…といった、ゲイの人生の終わり方に関してずっしりと重い問題も提起されます。

そんな中で事件があり、優馬は直人を疑い、それを直人に告げるのですが、直人は「疑ってるんじゃなくて信じてるんだろ?」と返します。ああ、これがテーマなんだと思いました。不信と信。

その不信と信は、坂本龍一の音楽でさらに深く掘り下げられます。
エンディングの曲が男性チェリスト2人による二重奏なんですけど、これって優馬と直人そのものじゃないか!とか思って(笑)しんみり聞いてました。素晴らしい音楽でした。

というわけで、エロい目線で見ようとして大変申し訳なかったです。いや、十分エロも堪能させていただきましたが。まず妻夫木のスーツ姿がおしゃれでカッコいいのよね。いかにも仕事ができるゲイリーマンって感じで、思わず真似したくなりました。あと二人の全裸まで見れるとは思わず、眼福でございました。ちょいガチムチで日焼けした優馬と、痩せっぽちで色白な直人の対比が良かったです。でも痩せっぽちなのもちゃんと理由があったというね(つらい)。

結局、直人は優馬の部屋を出て行って、それが永遠の別れになってしまいます。
そして優馬が嘆き悲しむところで映画は終わります。どうしてあのとき信じてやらなかったんだろう、もっと優しくできなかったんだろう、なんて自分は情けない奴なんだろうという自責の涙と怒り。
そんな彼に対して自分はこんなふうに声をかけてやりたいのです。「あいつはお前に出会って幸せだったと思うし、お前もあいつに出会えて幸せだったんだろ。だから泣いてないで感謝しろよ」って。

自分自身も、ゲイの恋愛って何も残らないし、そもそもゲイの人生自体なんにも残さないじゃないか、みたいな暗黒思考に陥ってしまうこともあります。でも、それでも*4、いやだからこそ、人は他人を愛するのだと思うし、愛する人を求めるのだと思います。

そんなこんなを考えさせられる、深くて重い映画でした。

***

<余談>
ハッテン場での妻夫木の挙動がものすごくリアルでビビったんですが、どうやら妻夫木と綾野剛は実地研修した模様です(受付をやったそうです)。

(Yahoo映画に書いたレビューをもとに再構成しました)

*1:リア充ゲイみたいな意味

*2:デビ夫人がそうやって男を誘うって言ってた。

*3:これがフラグになるなんて

*4:バナージ風